チンニングとは懸垂のことです。背中を鍛えるトレーニングの中でも、トップクラスの高強度を誇るトレーニングといわれています。チンニングで背中を追い込むためのトレーニング方法や、今はできない人でもチンニングができるようになるためのステップを紹介します!
チンニングで鍛えられる筋肉
チンニングでは以下の筋肉が鍛えられます。
- 広背筋(背中にある大きな筋肉)
- 僧帽筋下部(首回り、肩、背中に伸びている筋肉)
- 菱形筋(背中にあるインナーマッスル)
- 大円筋(肩の後部すぐ下にある筋肉)
- 上腕二頭筋(力こぶにあたる筋肉)
- 腕橈骨筋(前腕にある筋肉)
チンニングはこのように、背中にある筋肉の多くを鍛えられる他、上腕にも負荷をかけることができます。両腕と背中の筋肉で全体重を扱うため、ある程度の筋力がないと1回行うのも苦労するほどの強度があります。
そのため、もしチンニングが1回もできない状態からトレーニングを重ね、難なく目標回数・セット数をこなせるようになっている頃まで成長できれば、背中周りや上腕の見た目に目覚しい変化を感じられることでしょう。
チンニングのやり方とコツ
チンニングは公園にある鉄棒や、フィットネスジムに用意されているバーを使ってトレーニングするようにしましょう。そして、トレーニングでは以下のような順序で行います。
①肩幅よりも広めにバーを握る
②両足は動作の邪魔にならないよう、少し曲げて後ろで組んでおく
③広背筋を使って肩甲骨を寄せるようなイメージで、体を持ち上げる
④胸の上部をバーにつけるくらいの高さまで持ち上げて一度静止する。
⑤ゆっくりとスタートポジションに戻る
チンニングを行う際は、基本的に手の甲が自分の方を向く順手で、そして肩幅より広いスタンスでバーを握ります。しかしこれを、握りを逆手にして狭いスタンスでバーを握って行うことで、より上腕への刺激が強くなります。
初心者でありがちなのが、チンニングを行う時に腕の力を使ってしまうというものです。
このトレーニングは主に背中の力を使うのですが、広背筋や僧帽筋を上手に使えていると、肩甲骨が寄るのと同時に「上下に動く」という感覚があります。
最初のうちは肩甲骨の動きに意識しつつ行ってみるのがいいでしょう。
<順手>

<逆手>

チンニングの目標回数・セット数
反動を使わずに行うチンニングは、8回の3セットあたりを目標にトレーニングしてみてください。
これよりも回数をこなせるようであれば、1セットに最大15回を目安にトレーニングをし、重りをベルトに巻くなどして負荷を追加してみましょう。
仮に8回未満しかできないという方は、この後に紹介する導入用のトレーニングで、基礎的な筋力を鍛えていくといいでしょう。導入用のトレーニングは、10回の3セットを目安に行うのがオススメです。
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チンニングをする時の注意点
チンニングを行い場合は、以下の2点に注意してください。
反動をつけて行わない
チンニングをする上で最も注意すべきなのが「反動つけない」ということです。チンニングは先ほど紹介した順序で行うと、筋トレ中級者や一部の上級者でも5回前後しかできないという人も多いほどの高強度メニューです。
しかしトレーニングを始めたての頃ほど、こうしたトレーニングにチャレンジしたくなります。そして、なんとか回数をこなそうとしてついつい反動を使ってしまうというケースが少なくありません。そうすると、フォームが崩れてしまうだけでなく、ケガのリスクも上がります。
もしも自分はまだチンニングをするには筋力不足だと感じたら、すぐに他のトレーニング方法にシフトしていくといいでしょう。
肩に痛みを覚えたらトレーニングを中断する
チンニングはグリップの幅を変えることで、背中と腕の負荷のかかり方が変わります。
背中への負荷を高める場合はグリップを広く持つようにするといいのですが、そうすると肩への負担が増すという側面もあり、トレーニング中に関節の痛みを覚えることがあります。
そうした痛みを感じたら、すぐにトレーニングを中断してください。そして、一旦時間を置いて通常のグリップでチンニングを行うようにしましょう。
チンニングができるようになるためのトレーニング方法
チンニングがどうしてもできない!という方は、次の3パターンのトレーニングで筋力アップを図りましょう。
①ラットプルダウン
ジムにあるラットプルダウンのマシンを使ってトレーニングを行います。
ラットプルダウンで背中を鍛える方法はこちら↓
②斜め懸垂
地面に足がつくくらいの高さの鉄棒やテーブルを使って懸垂をします。
体を浮かせるのではなく後ろに倒して行うので、チンニングよりも軽い負荷で行えます。
③ネガティブ・レップでチンニングをする
台座や反動を使い体を持ち上げます。そして、体を下ろす時は背中・上腕に力を入れてゆっくりと行うという方法です。
斜め懸垂は、家具があれば自宅でも可能です。こうしたトレーニングを行なってから、再度チンニングにチャレンジしてみるといいでしょう。
斜め懸垂やネガティブ・レップ等、詳しくは以下に解説してあります。
チンニングのやり方解説!高強度で背中を鍛え上げるのまとめ
チンニングはその高強度から、上半身の力強さのシンボルとも言えるトレーニングです。もし現段階でチンニングができない人は、ラットプルダウンや斜め懸垂で筋力を作り、チンニングができるたくましくかっこいい上半身を作っていきましょう!