ダイエット効果がある漢方なんてあるの?ダイエットサイトに惑わされないで!


「ダイエットをするときに漢方ってどうなの?」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。実際に、インターネットなどを見ていても「この漢方薬が痩せられる!」などと書かれているサイトがあります。でもちょっと待って!安易な考え方で漢方薬を服用するのは危険なこともありますよ!

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漢方にはダイエット効果があるの?

漢方にダイエット効果があるのかどうかについて説明するには、まず「ダイエットとはなんぞや」ということを知っておく必要があります。

・ダイエット=規定食

そもそもダイエットとは規定食のことを意味しています。それは、英和辞典をひいてみればすぐに分かることと思います。

規定食とは、生活習慣病や病気の人に対する食事療法をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。健康を取り戻すために、食事の量を減らしたり、栄養バランスを考えたりするのがダイエット本来の目的です。

そのような食事療法をおこなった場合、太っている人は「結果として」痩せることとなります。その点だけ見た場合、ダイエット=痩せると捉えてしまうのでしょう。

漢方も漢方薬を用いた治療行為であることから、病気からの回復や生活習慣病の改善といった効果が期待されています。そういった意味では、規定食とは異なりますが、結果として痩せることはあるのでしょう。

漢方ってなに?

ダイエット効果がある漢方についてお話するまえに、まずは漢方とはどのようなものなのかについて解説しておきたいと思います。これについて知っておかないと、無謀な漢方薬の濫用をおこないかねませんからね。

・漢方は日本生まれ!?

漢方と聞くと、中国古来の伝統的な治療法と思われるかもしれませんが、中国古来の伝統的な医療は「中医学」といわれています。

中医学が日本に伝わり、日本独自の発展を遂げたものが漢方だといわれています。漢方という言葉が定着したのは、実は江戸時代になってからだといわれています。

江戸幕府は鎖国政策を布いていたので、通商関係は中国(清)とオランダとの間にのみ存在していたとされています。

オランダから伝わった医学書としては「ターヘル・アナトミア」が有名ですよね。杉田玄白や前野良沢らが翻訳して「解体新書」として知られることとなります。

江戸後期にはオランダから伝わった学問、すなわち蘭学が隆盛となります。そして、オランダ流の医学のことを蘭法というようになります。それに対して、中国から伝わった医学のことを漢方と呼ぶようになったということなのです。

・広義の漢方と狭義の漢方

「漢方というと漢方薬」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。決して間違いではないのですが、それは漢方を狭い意味で解釈した場合です。

漢方を広義に解釈した場合、漢方薬だけでなく、ハリやお灸、指圧なども含まれるとされています。現在の東洋医学では、ハリやお灸、指圧などの鍼灸医学と、薬物療法による漢方医学とに分けられているということです。

・漢方医学

現在日本でおこなわれているいわゆる漢方は、漢方医学を指すことが多いようです。漢方と聞いて指圧をイメージする人があまりいないのがその証拠です。

漢方医学は、西洋医学のようにエビデンス(医学的根拠)に基づいた治療をおこなうのではなく、実証=過去のデータの積み重ねによって、症状を判断して治療がおこなわれます。

どちらかというと、病気そのものにアプローチするというよりは、体質を改善することで、病気を治す力を身につけるという特徴があるようです。

中国や韓国では漢方医学は国家資格となっており、漢方医というものが存在しますが、日本の医師国家試験には漢方の項目がないため、漢方薬を対症療法的に用いるといった弊害も見受けられるようです。

ダイエット効果がある漢方について知る前に…

ダイエット効果がある漢方について知るためには、漢方の目的について理解しておく必要もあります。なぜなら、漢方には独自の目的があるからです。

それは、西洋医学で用いられる薬が症状の改善や緩和といった効果を期待してのものであるのに対し、漢方医学で用いられる漢方薬は、体質の改善を最大の目的としているということです。

「風邪を治す薬が発明されたらノーベル賞もの」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「風邪をひいた時に風邪薬を飲めば治るじゃん」と思っているとしたら大きな間違いです。

風邪薬の説明書きを読んでもらうと分かると思いますが、そこには「風邪による諸症状の緩和」と書かれていることと思います。

風邪を引いたことによって起こる、鼻水が出たり咳が出たり、あるいは熱が出たり不快感が出たりといった症状を緩和することを目的としているのであって、風邪そのものを治すわけではないのです。

漢方の考え方は、風邪を治すのではなく、風邪を引いてしまうような体質を根本的に改善するところにあります。そのため、漢方薬も本来は対症療法的に用いられるようなことはありません。

ダイエット効果がある漢方はある?

漢方の本来の目的や、漢方薬用い方から考えた場合、仮にダイエットを痩せることと解するのであれば、漢方薬をダイエットに用いること自体がおかしな話です。

漢方薬は生薬を配合しているとはいえ薬品です。化学的に作られた医薬品ほどの副作用がないにしても、「めんけん」とか「めいげん」などといわれる反応が出ることがあります。

インターネットのダイエットサイトなどでは、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)と呼ばれる漢方薬を奨めていることがあります。

確かに、防風通聖散には肥満症に対する効果があるとされますが、それは便秘がちな人に対して奨められている漢方薬なのです。

便秘がスッキリした女性のイラスト

漢方は原則として、その人その人の証(しょう、実証や虚証)を見極めることによって、その人に何が足りていないのかを判断します。

そして、足りていないものを補うために、複数の生薬を組み合わせて、体質の改善を図るものです。体質が人それぞれなら、太る理由も人それぞれです。

素人が書いたようなダイエットサイトの記事に踊らされて、実際に漢方薬を使ってみたら副作用が出たというのではお話にもなりません。

ダイエットの基本は運動と食事制限です。安易な考えで漢方薬に飛びつくのは、あまり賢明な方法とは言えないようです。

漢方薬以外の漢方も試してみよう!

ダイエットを痩せるという意味ではなく、健康や美容のためにおこなうといった意味でとらえるのであれば、広義の漢方である鍼灸や指圧を試してみるのもよいでしょう。

鍼灸においても、その人の証をまずは見極め、どこに問題があるのかをあぶりだします。新旧の世界では、気血が滞ることによって、その場所やその通り道にトラブルが発生すると考えられています。

気の通り道のことを経絡といい、その要衝のことを経穴(いわゆるツボのこと)と呼んでいるのです。そこに針を刺したり、お灸を据えたりすることで、気血の滞りをなくして症状を改善していきます。

ダイエットをしたいのであればほかの方法を考えよう!

ダイエット効果がある漢方なんてあるの?ダイエットサイトに惑わされないで!のまとめ

今回の記事では、ダイエット効果がある漢方はあるのかについて検証してきました。結論から言うと、ダイエット効果がある漢方はなくはないものの、ダイエット目的で用いるのは間違っているということが言えそうです。そもそも、ダイエットに必要なのはカロリー収支であり、摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくし、運動や筋トレで筋肉量を保つことがもっとも重要です。漢方薬も薬ですから、薬を飲んで痩せるなどという馬鹿げた発想は捨てるべきでしょう。

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