急に太る原因は?「特に変わったことはしていないのに急に体重が増えた」とか「最近なんだか急に太りやすくなった」なんて方、いらっしゃいませんでしょうか。急に太るようになる原因については、生理的な現象から病気の可能性までいろいろなことが考えられます。
急に太る原因その1・加齢
人によって個人差はありますが、ある程度の年齢になると急に太りやすくなったような実感を持つケースが多々あります。なぜ年齢を重ねると急に太るのでしょうか。
・基礎代謝量が低下する
基礎代謝とは、私たちが何もしていないときにも消費されるカロリーのことです。内臓や脳が活動したり、呼吸や体温調節をしたりといったことにエネルギーが用いられる訳ですね。
そして、基礎代謝は一般的に20代半ばころをピークにして、減少に転ずるとされています。よく「20代のころは好きなだけ食べても太らなかったのに、30代になったら太りやすくなった」などといわれるのは、基礎代謝が減少している可能性があります。
そうはいっても、急に太りやすくなる時期には個人差があって、30代になっても太りにくい人もいます。ただ、そのような人の方がかえって油断してしまい、急に太る結果ともなりかねません。

・筋肉量が減少する
筋肉量が減少するというのは、簡単にいえば筋力が落ちるということです。基礎代謝のうち、およそ20%を筋肉が占めているため、筋力が低下すれば基礎代謝が低下します。すると、結果として太りやすくなってしまう訳ですね。
若いころに部活などでハードに鍛えていたというような人の場合、その時の貯金で太りやすくなる時期が遅くなることはあります。もちろん、その後の生活習慣によるところも大きいですが。
元プロスポーツ選手を見てみても、年をとっても痩せている人が多いのは、もともとの筋肉量が多いことに由来しています。もちろん、不摂生で見る影もない人がいないわけではありませんが。
一般人の場合、学生のころは運動をしていても、社会人になると同時に運動習慣がなくなるということはよくある話です。そういった事情も、急に太る傾向に拍車をかけているとも言えそうですね。
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急に太る原因その2・月経
女性の場合、毎月の月経のサイクルによって、急に太る時期が来たりします。対策するにはまず、月経の周期を知ることが重要です。
・月経のサイクル
月経のサイクルは、月経期→卵胞期→排卵期→黄体期、そして再び月経期というサイクルを繰り返しています。そして、このサイクルによって太りやすい時期が出てきます。
・ダイエットと月経のサイクル
一般的に、ダイエットにもっとも適した時期は、卵胞期だとされています。卵胞期には体内の余分な老廃物を体外に排出しやすくなることがその論拠となっています。
反対に、太りやすくなる時期は黄体期です。黄体期には黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増加しますが、プロゲステロンには脂肪や水分をため込もうとする働きがあります。
基本的に月経というのは、妊娠→出産といった準備のために起こるものですから、妊娠の可能性に備えて太ってしまうのはあたり前といえばあたり前なのです。
急に太る原因その3・睡眠不足
睡眠不足と肥満の関係は、医学的にも指摘されているところです。でも、睡眠不足になるくらい忙しく働いていて、それで太ってしまうようなことってあるのでしょうか。
睡眠欲というのは、人間の三大欲求の一つであり、あとの二つ(食欲と性欲)に比べると、根源的な欲求が強いものです。赤ちゃんや幼児が食事中に寝てしまうのを見ていても分かりますよね。

睡眠不足状態になってしまうと、この根源的な欲求が満たされないことから、ストレス状態になってしまいます。ストレス状態が続くと、コルチゾールという物質が体内で生成され、その働きによって皮下脂肪が蓄えられやすくなってしまうのです。
コルチゾールは、アレルギー性の疾患に対して治療薬として用いられることもありますが、その副作用を見てみると、顔のむくみや体重増加といったことがあげられています。睡眠不足は太る、このことを忘れないようにしてくださいね。
急に太る原因その4・水分や塩分の摂りすぎ
単純に、水分を摂りすぎることによって、排出が追い付かずにむくんでしまうようなことがあります。また、塩分を摂りすぎることによっても、体内に水分をため込みやすくなります。
分かりやすい例を挙げると、スナック菓子のような塩分の多いためものを食べるとのどが渇きますよね。それが身体の中でも起こるということです。食習慣によって急に体重が増える可能性もあるということです。
急に太る原因その5・ストレス
強いストレス状態が続くと、太りやすくなる可能性があることが分かっています。これは、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの分泌量が減少することで起こるといわれています。
難しい話を抜きにしても、仕事やプライベートでのストレスが高じた場合に、「やけ食い」に走ることってありますよね。ストレスも急に太る原因の一つと考えられています。

急に太る原因その6・病気
何らかの疾患によって、急に太るようなこともあります。では、どのような疾患の場合に、急に太るようなことがあるのでしょうか。
甲状腺機能障害
甲状腺機能障害には、甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症の2つがありますが、急に太るような場合には甲状腺機能低下症の可能性が考えられます。
甲状腺機能低下症になった場合、甲状腺ホルモンの分泌量が減少し、代謝機能が低下することによって太りやすくなるとされています。
甲状腺機能低下症になると他にも、寒さを感じやすくなったり疲れやすくなったり、便秘になったり寝ても寝足りない感じがしたりといったことも起こるということです。
反対に、甲状腺機能亢進症の場合には、いくら食べても太らなかったり、仕事をしていても疲れにくかったり、暑さを感じやすかったりといった症状がみられるということです。
肝機能障害
肝機能障害によっても急に太るようなことがあるそうです。特に、肝機能障害が肝硬変にまで至ってしまった場合、腹水によって体重の増加がみられます。
婦人科系の疾患
卵巣のう腫などの婦人科系の疾患によって、体重が急に増えるようなこともあるということです。場合によっては、キロ単位で増えるようなこともあるそうです。
急に太った場合の対処法
短期間で急に太るような場合には、どのように対処すればよいのでしょうか。また、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
・生活習慣を見直す
急に太る原因としては、ストレスや睡眠不足、運動不足といったようなことがあげられていました。「なんでか分からないけど急に体重が増えた!」というようなときには、まず生活習慣を見つめなおしてみましょう。

・医療機関を受診する
体重の増加にともなって、なんらかの異変がある場合には、自己判断をせずに速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
女性の場合で、おなかが張るような感じや下腹部からの出血がみられるような場合には、婦人科を受診するようにしましょう。
男性の場合や、女性の場合でも身体がだるかったり寒気を感じたりするようなときには、まず内科を受診するようにしましょう。
何らかの疾患によって症状があらわれている場合、早期回復のためには、早期診断・早期治療が欠かせません。
急に太る原因はさまざまです!
▼そんなにドカ食いしてないのに太ってしまう…そんな方は以下の記事もご覧ください。
急に太る原因は?ストレスや病気の可能性もあるので要注意!のまとめ
以上、見てきましたように太る原因は実にさまざまです。急に体重が増えたようなときにはまず生活習慣を見直して、思い当たる節がない場合や何らかの症状をともなう場合には、できるだけ早めにお医者さんに診てもらうようにしてくださいね。